先週30度近くまで上がったドイツは一気に冷え込み雨も降って寒い日曜。博物館でも行くかと我が家から50kmのコブレンツ軍事技術博物館へ。住宅地の中にある倉庫みたいな外観だが、4階建ての建物にはぎっしりと兵器や関連技術の展示が。
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一階には戦車や大砲、航空機、更に潜水艦が隙間無く並ぶ。全体に暗いし近いし飛行機なんか翼を重ねるように展示されているので撮影には辛い。第二次大戦の戦車類は昔は暗視装置付きパンターとか有ったらしいが殆ど無くなっていた。しかし並ぶ車両がことごとく試作やら特別改修モデルやら「こんなん作ってみました」感のある物で訪問する価値は有る。主砲が二つ突き出したVT1戦車やらマルダーにレオパルト2の主砲載せた奴、レオパルト2の試作車等。技術の博物館であるから大胆にカットされて内部が丸わかりの車両や銃も多い。
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東独時代のお陰でハインドとMiG21も居て、これは初見で嬉しい。F104は見飽きたと思ったらCCV研究機、これは世界に二機で激レア。その後ろは三機しか作らなかったVTOL研究機のVAK 191B。ずらりと並ぶエンジンはお馴染みJ79やJumo004BだけでなくMiG-29のRD33なんてレア物もあり満足。
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野砲が又重なるように置いてあり、手前の皆大好き88mm砲が豆鉄砲に見えるような17cm, 21cm, 24cmの巨大な砲身が天井に触れんばかりにそびえ立つ。
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2階4階には対戦車砲、対空機銃、榴弾砲、擲弾筒、小銃、機関銃、ピストルとあらゆるジャンルを網羅し、火縄式から現代まで全ての時代に渡って揃えた膨大な銃器が展示されている。昔の銃のグリップ、銃床の木の仕上げが美しく目を引かれる。残念なのは全てガラス越しの展示ということ。照明も特に工夫は無いので反射が酷く、写真撮影は困難を極めた。狙撃銃と対戦車ライフルがお気に入り。
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2-4階には技術展示ということでレーダーやら暗視装置やら測距儀やら通信機器、地図作成、慣性航法装置、等などあらゆる電気電子光学機器が並ぶ。かの有名なドイツ軍の暗号装置エニグマも展示されている。大戦を通じて改良されたと言うだけで「チューリングに解読されちゃいました」とは書かれていない。
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午前中から来て閉館4時半まで居たがその間に訪問者は数十人程度だったのではないか? 好き勝手にどこからでも見られて良かった。例によって脚立を持ち込んでの撮影も勝手にさせてもらい有り難い。受付の兄ちゃんには「持ち込んで良いけど、それじゃ低いだろう」と言われたので今度は1mくらいのを持ち込もう。入場料はたった3EURと言う破壊的な安さだ。軍施設なので入館に際しパスポート要。
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さてこの博物館には売店は無い。住宅街でレストランも近くにないので、嫁さんに握ってもらったおにぎり持参で館内で済ませた(本当は飲食禁止かも)。訊いてみると売店は無いが書籍販売は建物外部の裏っかわにあって、しかも日曜でも開いていると言う。行くとなんだかプレハブみたいなちゃちな建物で中は薄暗いし恐る恐るドアを開ける。これがまたビックリ。中は何部屋も続く軍事関係書籍の山。英語書籍も数割、日本語の本も幾つも見つかった。「ドイツ空軍の大戦中の試作機の本を探している」と相談するとオバちゃんが案内してくれて一冊面白そうなのが有ったが、安普請のせいか雨漏りで濡れており半額で買えた。棚の幾つかには模型が並んでおり、これがまた超マニアック。ヴァーリンデンの小箱があんなに並んでいるの見たこと無い。バキュームやらレジンやらエッチングのキット、改造パーツも豊富。5時で閉店の筈だが、店員と常連?が雨漏りを直したりダベったりしていつまでも追い出される気配が無いので5時半まで居座らせてもらった。
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写真は他にも大量に撮りましたのでよろしければご覧下さい。
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